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アイデンティティの構築

アイデンティティは極めて個別的なものですが、外部との接点なしに確立されるものでもありません。当然、社会との相互関係として培われるものです。それでは、対外窓口の役割を果たすものは何なのか。単に外界の情報を取り入れ、親和性を確保するだけで事足りるのでしょうか。

ここではその結節子、Socio Windowの役割をインテリジェンスと考えてみましょう。 結節子といっても、取ってつけたように外から導入する独立の媒体という意味ではありません。それは自己の一部であると同時に、 外部への橋渡しを果たす、半自半他といった位置づけのものです。個々のアイデンティティとは、このインテリジェンスを介して社会に開かれた存在であること を担保して初めて確立できます。

アイデンティティは、一方で独自性という確固たる堅牢さを持ち、もう一方で状況にあわせ進化していく柔軟さが期待されます。いわば両極的な性質を持ったも のです。主張するものは主張し、受け入れるものは受け入れる。こうしたクレバーな立ち回りが要請される点で、インテリジェンスが外部接続機能としてセット できているかどうかが、アイデンティティの真価を分けるでしょう。

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