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インプットかアウトプットか

われわれの意思決定行動を考えるとき、大きく分けて、何を認識し(入力)、何を発現するか(出力)に二分できます。 インテリジェンスとは、一般に情報に対するアンテナと理解されるため、入力型の装置として理解されがちです。しかし現実の実践面では、それほど整然と入力系と出力系が分離されているわけではなく、両者が混在した、連続的、相互的なものと捉えられます。

ですから、ここでは入力と出力の相互連携性を踏まえ、出力をも含む広い視座でインテリジェンスを構築する必要があります。

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上記のように、インテリジェンスを発揮する意味では、入力、出力二つの立場からモデリングすることができますが、実際の社会環境における応答関係を踏まえたとき、リアルの構成はもう少し複雑といえます。 ここで環境に応じたインテリジェンスを想定すると、平時のものと非常時のものとの使い分けが考えられるでしょう。これらはその適用状況において異質なものですが、いかに適応していくかという意味においては共通して入力主導の発想です。

一方で、対処型のアプローチとはまったく異なる、探求型のアプローチが別途想定されます。これは状況を受け入れるというよりはむしろ、主導的にこれからの環境を構築していく意味で、出力型のインテリジェンス発想に他なりません。

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近年のソーシャル化の進展は、技術の社会化であると同時に、社会特性を技術を通じ織り込んでいく面があります。つまり、一方通行な流れではなく、双方向を意識したものです。

上記のように、インテリジェンスが出力発想で捉えられるとするならば、当然その矛先には外部との折衝が意識され、そこでの能動性は外部との関与を深めてい く方向に作用するはずです。その意味で、入出力のプロセスは同時に外部との結節強度を反映するわけで、インテリジェンスの深化とはソーシャル性の発揮と不 可分のものと位置付けられます。

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