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新たなICTに軸足を移すとき

ITないしICTの話題に事欠かない日はありません。それほど、われわれの生活は情報技術への依存を深めているのですが、そろそろICTへの スタンスを見直す時期に来ています。なぜならICTの普及に比べ、われわれの考えや行動への反映という観点からすると、思いのほかフィードバックが進んで いない気がします。

そもそも日本ではICTではなくITとの表現が普及していったことからも明らかなように、 従来から、C=コミュニケーションの部分が浅く、ゆえに技術性向の突出した理解でした。 これに対し21世紀、最近の志向性としては、より人間相互の活動として内実が問われています。もちろんこれらを支える物理的環境として、旧来のITに負う面は多々ありますが、それ以上に、個々の参与者がいかに振舞い、相互の関係構築がなされるかに力点が移行してきます。

少なくとも、技術ベースで普遍化された無人称の装置から、各自の顔が見える一~三人称の行動具現機関との認識で問題設定がなされる必然があります。 “Information Communication Technology” から、“Interaction Communication Tech‐philosophy”へ

あえて"ICT"という表現を使い続けるとしても、そこで指し示す内容は大きく変更される時期に来ています。すでに旧来のICTに依存する必要性は相当に薄まっているのが実情といえるでしょう。 近年のソーシャルの流行、拡大はまさにこういった時代背景を象徴するエポックと考えられます。

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