something eureka

思索のヒント、ブックレビューなどを中心に

ちょっとした隙間が問いかける、些細な気づきと気遣い

 

便利な世の中になっていく一方で、ちょっとした隙間にはまったものは取り残されていく現実がある。この「ちょっとした」がキーワードだ。

明確に区分けできる、単目的で独立したものは、機械的にも効率的にも扱いやすいが、中途半端なもの、ある程度個人の領分に属す内容は、そうした網をすり抜ける。世間でもはやあたり前になってしまった後では、そのあたり前に満たないものはなきものとして扱われる。たとえば、いまやネット万能ともいえる世界にあっては、ネットが使えないなどというのはどんどん想定から外れていく。

さらに、困りごとを解決したいという観点と、困りごとに共感してほしいという観点はイコールではない。もちろん前者でことは済むはずだが、状況によっては後者に重きが置かれるケースもあるはずだ。

こう考えると、「ちょっとした」は、全然ちょっとしていない。いやむしろ、人間の生活はこの「ちょっとした」の積み重ねであって、たいそうなものばかりで構成されているわけではない。どうしても目立つ、大きなものの解決ばかりが評価の対象となりがちだが、むしろ表面化しずらいこうしたちょっとしたものが、全体の印象を含め、成否のカギを握っているのかもしれない。

パリの共同住宅で、住民たちにさまざまな世話を焼いて地域社会の絆的役割を担っていた住み込みの管理人が減少しつつあるなか、ペットの世話や家具の修理など街中で人々のささいなニーズに答えるサービスが始まっている。

情報源: 地域社会の絆取り戻せるか パリのアパルトマン管理人減少で新サービス | JBpress | kinora(キノーラ)