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Design + ingとしてビジネス領域を再構築する

昨今至る所でデザインの重要性が叫ばれています。デザインシンキング(デザイン思考)というのもその一つの顕れと理解できます。一方で、旧来からあるデザインのイメージがあまりにも強いため、デザインの重視というと、特定のビジネス局面(わりやすいところでは対外的に訴えやすい美的表現の領域)ばかりが強調されることにもなりかねません。

ここで強調したい点は、デザインがいわゆるデザイナーの専決事項ではないということです。ビジネスモデルそのものをデザインするという意味において、トップをはじめとするあらゆる階層、職種が依って立つところの大前提にデザイン的目線が求められるということです。

デザインは意匠やスタイルなど、製品の外面的な特質として認知されることが多いかもしれません。芸術的側面や技巧的観点が強調されがちなため、マネジメントという経営本体で用いられることはむしろ限定的かもしれません。

しかし、デザインの本質を、「目的を見定め、一貫したシナリオに沿って実践的結果へと導く、包括的かつ継続的な活動である」と広く位置づけるとき、それはまさしくマネジメントが探求すべき領域と重なります。マネジメントを管理と革新の二つの側面で大別するならば、デザインの強調は後者の機能をより一層促進するものと理解できるでしょう。

 

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このようにデザイン領域を再定義したとき、組織の目的性において何を為すべきかがデザインの最大の課題となります。加えて、こうした活動は一度確立したらそれでおしまいというわけではありません。むしろ常に未完成であり、不完全であるものです。もっと言えば、変化できる余地を意識的に織り込んでおき、いつでも修正できるようにしておくことに意味があります。その意味において、こうした継続的活動を強調する現在進行形『~ing』という表現がカギを握るものと考えます。

それゆえ、ここでは継続的な進化活動としてのデザインとの位置づけから、あえて『デザイニング』という捉え方をしているのです。ビジネスをけん引する核となる活動こそ、このデザイニングという目的進化に他なりません。