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過去をきちんと見切れるか、時間は連続しているとの誤解

心情として、失敗を悔やむことはわからなくはない。しかし、失敗に引きずられて、失敗に失敗を重ねては元も子もない。過去は変えられない。変えられないものにいつまでもこだわっても特段得るものはない。であれば、過去と未来をきちんと分離することが最善だ。

もちろん失敗に学ぶということもあるだろう。責任感も大事だ。しかしそれは、過去を感情から分離できていることが前提だ。とはいえこれは意外に難しい。どうしてもサンクコストに囚われ、あの時こうしておけば…など、タラレバに陥りがちだ。マイナスからの出発と考えると、単にゼロに戻すことさえ一苦労なものとなる。

だったら過去はいったん分離して切り分ける。まずは今できることに集中する。責任や学習の機会はむしろ時間をおいて冷静に対処したほうが得るものも多いだろう。

そうはいっても、実際問題、割り切りは難しい。漫然と切れ目なく続くのが現実というものだ。状況が勝手に一区切りつけてくれることなど決してない。だからこそ、意識的に断絶をつくる。反省は保留する。あくまでゼロからプラスを積み上げる、そうしたペースメイキングの仕切りがリーダーシップには欠かせない。

実は、英語にもドイツ語にも、日本語の「反省」にニュアンスの近い言葉はありません。なぜなら、失敗したら反省するのではなく、「次はどうしたらいいか?」と前向きな分析をするからです。
これは、たとえるならテニスの試合と同じです。テニスはポイントを取られても、失敗した、得点を取られたとクヨクヨしている時間はありません。次のプレーに向けて気持ちを切り替えないと、さらにポイントを取られるだけです。そして、最後に勝てばいい。

情報源: デキる人は「他人は別の惑星の人だ」と考える | ワークスタイル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準