something eureka

思索のヒント、ブックレビューなどを中心に

デザイン

短期か長期か、その対照軸を疑ってみる

短期目標と長期目標、いずれの視点を重視すべきかは、悩ましい問題です。アメリカ流の株主志向もあり、短期的結果を追ってしまうことは、現前の評価基準を優先する意味において、当然の帰結ではあります。 「利他の精神」を掲げる企業は多くても、実際の個々…

したたかさこそがデザインである

「デザイン」とは体裁のいい表現ですが、実体としての意味内容があいまいになる傾向がありますので、ここではデザイン=対象への接近法と読み替えてみたいと思います。 ビジネスとは対外折衝が避けて通れませんので、まさにここで定義されたデザインと意を同…

型とは制約なのか、それとも発展の契機なのか?

型への向き合い方には大きく分けて二つの方法があります。 ひとつには、型を身につけるという受けの作法、もうひとつには、型を超えるという攻めの作法。加えて、この二つは互いに背反するというよりも、コインの表裏の関係にあって、不可分のもの、相互に互…

最適がほんとうのゴールなのか?

最適化というのも、ビジネスにおいてよく用いられる表現の一つですが、これも曲者といっていいかもしれません。これはやはり効率性と連動した概念といっていいかと思います。 ある特定の枠組み内においては機能を発揮する考え方ですが、枠組みそのものが問わ…

イノベーションという言葉に騙されていないか?

イノベーションという言葉は、非常に乱暴な言い方をすれば、何か新しいこと、目先の変わった取り組みを指し示すものとして、安易に氾濫している印象を受けます。それゆえ、イノベーションが何を指し示しているのか、腰を据えた問われ方をすると、途端にあい…

ターゲットを3次元化する

デザインを通じてものごとを捉えるということは、対象物を膨らませて考えると言い換えられるかもしれません。単純明快に対象を1次元の点で押さえるというよりも、2次元の面として、さらには3次元の立体的に押さえるといった感じでしょうか。 「デザインと…

デザインは自らに向かって指し示す

デザインというと一般的には、外部に向かって発信されるものと捉えられます。その場合、どうしても見栄えの善し悪しが強調されます。もちろんそういう側面も重要ですが、より踏み込んでデザインの役割、可能性をひろく問い直すと何が見えるでしょうか。 デザ…

経営とは特殊解なのだろうか?

複雑であること、特殊であることは、はたしてネガティブなことなのでしょうか。 経営や人間の行動というと、どうしても自然科学に比べて一般化しづらい、あいまいなものととらえられがちです。しかし、それが一般的なものか、特殊なものかは、何を追求するか…

二兎追うものが三兎を得る?

日本ではいまだものづくりが強調されますが、モノにとらわれすぎて本質を見失っては元も子もありません。 いいモノができた→売れた→もうかった――といった流れではなく、人間の幸せや社会の課題にどのように貢献できるのか。そうしたことに取り組んだ結果、利…

経営=デザインという目線

これからの経営を考えるに、デザインの問題を欠かすことはできません。その際のデザインとは、経営=デザインとでもいい表わすべき、広範な領域を扱うものです。 「デザイン」とはカッコいいとカッコ悪いだとか、そんなモノの外身の話でとどまる概念ではない…

時間とは資本の論理で十分コントロールしうるのか?

人間にとってのもっとも貴重な資源といえば、時間といえるかもしれません。他に代えられない、限られたものという意味では、今も昔もその希少性に変わりはないでしょう。 多くの産業が主要命題とすることは「消費者の時間制約の高まりを認識し、時間価値に見…

制約を味方につけるとはどういうことか?

制約とは、ネガティブな印象がありますが、逆に見れば、制約のないことのほうが少ないですし、制約があるからこそ見えてくることもあります。 創意とは制約によって生み出されるものでもあるのです。 小規模企業にとって特に重要なのは、(限られた)経営資…

コンテンツとコンテクストは不可分の関係にある

日本は間の文化と言われます。明示的な対象よりも、それを支える背景の厚みが文脈として効いてきます。 従って言葉巧みに話すことが訓練されない代わりに「想う」ことについては本来、日本人は非常に長けている。「茶道」「華道」「柔道」という時の「道」と…

いいデザインほど気付かれない?!

デザインには2種類の考え方が存在します。 ひとつは際立った美しさを示すもの、もうひとつは周到に環境に溶け込み存在すら意識させないもの。 デザインの偉業の多くは気付かれない。あまりに出来がよいと意識されず、人は自分で問題を解決したり、何らかの進…

デザインにできること

組織デザイン、企業デザインが意味するところは、相手(他者)とのインタラクションをその中心に据えることだといえます。 人を巻き込みムーブメントを起こすためには、エンターテインメントやデザインが必要です。なぜならば、エンターテインメントやデザイ…

メディアの働きを見直す

情報ツールのあふれた今だからこそ、メディアの意味合いをより鮮明に理解できる機会ともいえます。 メディアとは、言い換えるなら接点をマネージするものといってもいいでしょう。 重要なのは各媒体の「メディア性」を把握すること。テレビ、新聞、雑誌、ラ…

組織形態は一つとは限らない

組織とは、その目的とするところによって変わっていくものです。むしろ状況の変化に鑑みれば、意識的に変える必要があるといってもいいでしょう。 不確実性の時代、僕たち人間は、もとより得意としてきた中央処理型の利点を生かしつつも、得意ではない分散型…

デザインは形だけでいいのか?

デザインというとどうしても見栄え、表層に関心が向かいがちです。 しかし、経営におけるデザイン、もしくは経営自体のデザインということで考えるならば、デザインが意図するところはもっと大きく考えていくべきです。 デザインマネジメントとは、長期的な…

サービスデザインの視座

日本におけるサービスのイメージは、接遇やおもてなしなど、ヒューマンタッチの領域と見なされる傾向が強いかもしれません。しかしそれは一面的な特徴を捉えているにすぎません。 ビジネスとは元来、人と人とのつながり、ネットワークをベースに形成されると…

アートとデザイン、テクノロジーの差異

別掲『ICT、ナレッジ、インテリジェンス』でも扱ったように、“知”のテーマでは、知と情報の関わりを3者3様な特徴から整理してきました。同様のことが“技”の領域でも当てはまります。一般に技術というとテクノロジーがその代表格とみなされますが、一方で人間…

基本フレーム

はじめに、ここで取り扱うマネジメントの全体的な体系、フレームワークを示しておきたいと思います。 もっとも基本的なプロセスを、大きく4つのステップから整理していきます。 1、目的性に関する領域 ――― 自分たちはなにを ――― 2、戦略に関わる領域 ――― …

なぜデザインに重きを置くのか

これまで、経営におけるデザインの重要性と協調してきました。ここでは、ビジネスデザインとして目的性を明確に打ち出すことを柱とする、デザインの構成を整理していきます。 ビジネスデザインは、マネジメントプロセスの最上流を担うものとして、大きく3つ…

ディメンションとは ディメンションが意味するところ

ディメンションとはあまりなじみのない用語です。むしろ立体表現3DのDだといったほうがわかりやすいかもしれません。 マネジメントをはじめとする人間行動は、多くの要因が絡み合っており、端的にそれを表現することは困難です。しかし、そんな茫洋としたも…

デザインとは デザインが意味するもの

デザインは意匠やスタイルなど、製品の外面的な特質として認知されることが多いかもしれません。芸術的側面や技巧的観点が強調されがちなため、マネジメントという経営本体で用いられることはむしろ限定的かもしれません。 しかし、デザインの本質を、 目的…